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 第9回 外資が選別される

温家宝首相の訪日が終わった。経済の熱気が硬直した政治を解きほぐそうとしている。ただし、中国ビジネスの中でも熱気のあたる箇所が微妙に変わってきた。
従来の中国は、外資をとにかく導入することにより、経済成長を達成しようとしていた。ところが、最近になって外資の選別が始まっている。中国にとって必要な外資を歓迎し、そうでない外資とは距離を置く姿勢が見られる。キーワードは、ハイテク・環境・省エネである。第11期5か年計画(2006年から2011年)では、小康社会(安定した社会)の建設が目標とされた。成長優先からの脱皮である。今年(2007年)の3月に全人代が企業所得税法を制定し、商務部が外資導入についての意見を出したことにより、その傾向はより鮮明になってきた。
従来の税制では、製造業の外商投資企業に対して、企業所得税を2年間免除しその後3年間は半減させる優遇税制があった。今回の「企業所得税法」(2008年1月施行)ではこれを廃止し、内資も外資も一律に企業所得税の税率が25%になる。ただし、ハイテク企業に対する税率は15%になるし、環境保護、エネルギー、農林漁業については、税制優遇政策がとられる。

 この傾向は、外資導入政策にも見られる。商務部が「2007年全国外商投資導入についての指導意見」を出した。ここでは、ハイテク、研究開発、省エネ、環境等に投資する外資を歓迎することを明確にした。さらに、付加価値の高いサービス業(金融・物流・チェーン店・情報産業など)へ外国投資を誘導するとした。地域的には、中西部、東北部への投資を奨励している。要するに、中西部や東北部への投資は全般的に歓迎されるが、それ以外の地域ではハイテク・省エネ・環境保護・高付加価値産業への投資が求められることになる。
時代の流れにいかに乗るか。法律・政治・経済・文化のいずれにも気を配ったハイブリッドな中国投資が必要になってきた。

[国際貿易 2007年5月1日第1面「今日の話題」より転載]

(射手矢好雄)