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上海の夏が暑い。2007年7月に入り最高気温が35度を超える日が多い。7月29日は39.6度になった。1934年に観測が始まって以来の最高気温らしい。私も上海に到着して飛行機の外に一歩出た瞬間にくらっと来た。熱風が体にまとわりつく。
これだけ暑いと、食べ物が腐っていないかが気にかかる。今年はそれに加えて、食品の安全が問題になっている。中国製食品が危ないという報道が日本や米国で多い。実は中国の消費者も心配している。ダンボール入りの肉まんが販売されていたと北京テレビが報じたが、その報道はねつ造とされた。ところがその結論自体がウソだと信じている一般人も多い。肉まんを買っても、肉を食べずに皮だけを食べている中国人も私の知り合いにいる。中国人の世間話では、ペットボトルの水が危ないとか、どの店は危険だとかがいつも話題になる。
最近では、豚肉に水を注射して重さを偽装した事件があった。1年前の材料で月餅を作った業者もいた。2007年には判決もいくつか出ている。粉ミルクを飲んで乳児が失明した事件(2004年)については、販売店の責任を認める判決が湖北省で出た。貝を食べて寄生虫にあたった事件(2006年)については、レストランの賠償責任を認める判決が北京であった。
法的には「食品衛生法」が1995年からあるが、具体的な内容ではないので、規制に遺漏があった。そのため、国務院は急遽「食品等の安全監督を強化する特別規定」を2007年7月27日に公布し、即日施行した。これで騒動が収まるわけではない。
問題は消費者の声である。中国は消費者民主主義だと私は考えている。中国では政治的な発言は自由にできないが、製品の品質をめぐっては自由に発言できる。ラジオをつければ消費者からの発言が多い。消費者の言い分を認めることが、ガス抜き効果をもたらしている。従来は車や電気製品に目が向けられていた。今度は食品である。食は生活の基本だ。日本でも食い物の恨みは恐ろしい。中国では13億の人民が食の安全にどう立ち向かうかが注目される。
[国際貿易 2007年8月7日第1面「今日の話題」より転載]
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