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 中国の最新法律事情(2005年10月27日証券法の大改正)
中国の証券法が大幅に改正されました。

2005年10月27日に全人代常務委員会が可決し、2006年1月1日から施行されました。

今回の証券法改正は、情報開示義務を拡大し、インサイダー取引等の規制を行なうことにより、投資家を保護し、証券取引に関する制度を充実させようとするものです。今後の中国の証券市場の展開を考えた場合、証券法の改正は日系企業にとっても重要です。改正のポイントは以下の通りです。

なお、今後は証券法の実施条例や関連法令が制定されていく予定ですので、これからも注意が必要です。

1 情報開示義務を拡大。従来は上場会社についての情報が不透明であるとの批判がありました。そこで証券法は、株式上場前の事前開示義務を定めました(第21条)。さらに上場後の継続情報開示について詳細な規定をおきました(第63条から第72条)。
2 インサイダー取引等の規制を強化。従来は中国の証券市場における違法行為が、市場の信頼性を損ねているとの批判がありました。証券法は、インサイダー取引の禁止、相場操縦の禁止、詐欺的行為等の禁止を明確に定めました。さらに、これらの行為があった場合には、行為者は投資家に対して民事賠償責任を負うことを規定しました(第73条から第84条)。投資家が行為者を直接訴える道を開くものとして期待されていますが、集団訴訟(Class Action)の具体的な方法については、証券法にも民事訴訟法にも規定されていません。
3 証券会社の内部管理を強化。証券法は証券会社のインターナルコントロールについての規制を強化しました(第122条から第154条)。
4 投資者の保護。証券法は投資者保護の一環として、証券会社等から資金を集めて、証券投資者保護基金を設けることにしました(第134条)。中小の投資家が民事訴訟を提起する場合に賠償資金のリソースになることが規定されていますが、運用についての規定はまだありません。
5 法律責任を強化。証券法は法律責任についての詳しい章を設け、証券法違反の行為についての行政罰を定めています(第188条から235条)。違反者の財産が充分でない場合、まず民事賠償責任を支払い、そのあと過料と罰金を支払うべきことが規定されています(第232条)。なお、証券に関する犯罪行為は、刑法が別途定めています。
6 その他。上場会社の買収についての規定が設けられ(第85条から101条)、上場会社に対するM&Aの促進が期待されています。証券会社は銀行や保険会社との兼業が原則禁止されていますが、国が例外を認めることがあるとの規定になっています(第6条)。将来は兼業がありうると予測されます。

中国証券法(森・濱田松本法律事務所翻訳2005年11月21日版)(PDF)