報道発表資料
1. 法改正の背景
(1)我が国は世界有数の広大な管轄海域を有する海洋国家であり、沖合の区域には海山、熱水噴出域、海溝等の多様な地形等に特異な生態系や生物資源が存在しています。
(2)海洋環境の保全は国際的な潮流となっており、我が国が主導した生物多様性の世界目標である愛知目標等の国際目標を踏まえ、主要国でも海洋保護区の設定が加速しているところです。
(3)現在、我が国は、沿岸域を中心に約8.3パーセントの海域に海洋保護区を設定しています。さらに、沖合の区域における海底の自然環境についても保全を図るため、排他的経済水域を含む沖合の区域について新たな海洋保護区制度を創設し、自然環境の保全と海洋資源の利用とを両立させながら進めていく必要があります。
(4)こうした状況を受けて、環境省では平成30年6月~8月に「沖合域における海洋保護区の設定に向けた検討会」※を開催し、沖合の区域における海洋保護区の設定のあり方について有識者に御議論をいただきました。これを踏まえ、平成31年1月には中央環境審議会より答申(「生物多様性保全のための沖合域における海洋保護区の設定について」)をいただいたところです。今般、この答申を踏まえ、自然環境保全法の一部を改正することとしたものです。
※平成30年5月に環境大臣から中央環境審議会に、「海洋環境をはじめとする自然環境の保全につき講ずべき措置」に係る諮問がなされたことを踏まえ、同審議会自然環境部会の一部委員及び関係する分野の専門家からなる検討会として設置されたものです。
2. 法律案の概要
(1)沖合海底自然環境保全地域の指定
環境大臣は、沖合の区域で、その区域の海底の地形若しくは地質又は海底における自然の現象に依存する特異な生態系を含む自然環境が優れた状態を維持していると認めるもののうち、自然的社会的諸条件からみてその区域における自然環境を保全することが特に必要なものを、所要の手続を経た上で、沖合海底自然環境保全地域として指定することができることとします。
(2)沖合海底自然環境保全地域における行為の規制
沖合海底自然環境保全地域においては、鉱物の掘採・探査や海底の動植物の捕獲等に係る特定の行為を規制対象とし、特に保全を図るべき沖合海底特別地区では許可制により、その他の区域については届出制により規制することとします。
(3)その他
沖合海底自然環境保全地域における自然環境の保全のため、環境大臣による報告徴収、立入検査及び中止命令等の必要な権限を規定するとともに、罰則の規定及び外国船舶に係る担保金等の提供による釈放等に関する規定その他所要の規定の整備を行うこととします。
3. 施行期日
本法については、一部を除き、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとします。
添付資料
- 自然環境保全法の一部を改正する法律案 概要 [PDF 802 KB]
- 自然環境保全法の一部を改正する法律案 要綱 [PDF 135 KB]
- 自然環境保全法の一部を改正する法律案 [PDF 178 KB]
- 自然環境保全法の一部を改正する法律案 理由 [PDF 50 KB]
- 自然環境保全法の一部を改正する法律案 新旧対照条文 [PDF 198 KB]
- 自然環境保全法の一部を改正する法律案 参照条文 [PDF 179 KB]
連絡先
環境省自然環境局自然環境計画課
- 代表03-3581-3351
- 直通03-5521-8274
- 課長植田 明浩(内線 6430)
- 室長山本 麻衣(内線 7418)
- 専門官大澤 隆文(内線 6492)
- 係長後藤 太一(内線 6438)