【2018/11/1更新】特集:MHM Lab プロジェクト

近年、ビッグデータの収集を可能にするセンサ・ネットワークとクラウドコンピューティング、これらの分析能力を飛躍的に高めるニューラルネットワークモデルを採用した人工知能といった、データ覇権を拡大強化する技術的基盤の劇的な発展が見られる一方で、シェアリングエコノミー型のビジネスモデルや、データの分散型管理を可能にするブロックチェーン技術の出現といった、従来のビジネスモデルに破壊的なインパクトをもたらすビジネスモデルやこれを支えるテクノロジーが生み出されています。こうした新たなイノベーションの成果を国内産業に取り込み、日本の国際的な競争優位 を確保していくためには、新たなビジネスモデルやテクノロジーを実用化していくためのトライアル・アンド・エラーを、可能な限り迅速かつ大量に展開していくことが不可欠です。

トライアル・アンド・エラーを迅速かつ低コストで実施することは、体制が未整備でレピュテーションリスクのインパクトが小さいスタートアップセクターがその社会的使命とするところですが、特に今後開拓が必要とされるインターネットで完結しないビジネス領域でイノベーションを実現するためには、経営資源の乏しいスタートアップ企業は、経営資源の蓄積はあるもののイノベーションにアクセスできていない伝統的企業との協業を通じて、その使命を果たすことが期待されています。

イノベーションに踏み込む際に壁となって立ちはだかるのが、既存の縦割型の法規制です。21世紀型資源と言われるデータを活用した新たなタイプのビジネスモデルは、データ価値の特性上、複数の分野に跨がることが多く、従来想定していた業態型の規制枠組みにはフィットしないことが明らかになりつつあります。このような規制体系が想定していないビジネスモデルやテクノロジーを単なる概念実証を超えて実施していくと、法律の適用関係が明らかでない事象が頻繁に発生します。

新たなビジネスモデルを確立して我が国の国際競争力を維持するという大目標を共有しながら、コンプライアンスリスクを最小化したい民間事業者と、法が想定しない事項につき適法性の判断を迫られる職業官僚との間で、ルーズ・ルーズの状況を現出しているのがこれまでの日本の産業の姿ではないでしょうか。

日本の伝統的企業を顧客基盤に抱えつつ、スタートアップ企業の成長にコミットするユニークなポジションを追求してきた森・濱田松本法律事務所では、英国FCAにより発案されたレギュラトリー・サンドボックスに早期から着目し、その仕組の日本の産業における意義を見抜いて我が国への導入の旗振りを続けてまいりました。その成果である今般の産業競争力強化法の改正による「日本版規制のサンドボックス」の導入を機に、これまでクライアントの皆さまと取り組んでまいりましたイノベーションの実現に向けた規制問題の克服のための一連の活動を一層加速させていくため、このたび新たに「MHM Lab」プロジェクトを立ち上げることを決定いたしました。

日本版規制のサンドボックスの概要とMHM Labプロジェクトによるアドバリュー


「日本版規制のサンドボックス」は、現行法制で認められていない事業を行う仕組みではなく、実地で行う実験内容を適切にデザインすることによって、「現行法のもとでも法令に抵触しない」という議論が成立可能な状態を作り上げ、「まずやってみる」を可能にする仕組みです。どのような実験も良い結果を得るためには実験そのもののデザインが重要です。「日本版規制のサンドボックス」も、現行法令が想定していないビジネスの実験につき認定を受け、そこから良いデータを取るためにリーガルエンジニアリングが不可欠になります。

また、日本には規制のサンドボックス制度以外にも、企業のイノベーションへのチャレンジを支援するさまざまな制度や仕組みがあります。それぞれの制度や仕組みは一定の背景事情のもとに創設されており、どの制度・仕組みを用いればどのような成果を得ることができるのか、それぞれの制度・仕組みを用いた場合の成果を得るまでのタイムライン等、大きく異なります。また、実際に取り組むにあたり、実戦投入にまでつなげていくための戦略立案を誤ると、実験しただけに終わってしまうということもしばしば起こっています。

MHM Labでは、これまで培ってきた伝統的企業に対するレピュテーションリスクのコントロールを重視した法務コンサルティングと、革新的なスタートアップ企業が事業創出の突破口を開くために展開するアクティブなイノベーション法務コンサルティングのテクニックを駆使して、クライアントの皆さまが世界を驚かせるようなビジネスモデルやテクノロジーを迅速に開発していくためのお手伝いをさせていただきたいと考えています。

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