事業再生ADRへの多数決原理導入に向けた動き
~本年3月の有識者検討会報告書について~

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今回のテーマは、「事業再生ADRへの多数決原理導入に向けた動き(本年3月の有識者検討会報告書について)」です。
近時、金融債権者のみを対象債権者とし、商取引債権者については対象としない私的整理手続による再建事例が増加しておりますが、私的整理は対象債権者全員の同意が事業再生計画成立の要件とされるため、計画成立に向けたハードルが法的整理よりも高く、早期事業再生を図る上での障害となることがあると指摘されております。
このような議論を踏まえ、平成26年3月、事業再生ADR手続の成立要件の緩和(多数決原理の導入)を検討するべく、有識者による「事業再生に関する紛争解決手続の更なる円滑化に関する検討会」が発足し、議論が重ねられ、本年3月、報告書がまとめられました。
私的整理(事業再生ADR)への多数決原理導入については、日本経済新聞等のメディアでも多数報道されており、本年6月30日に閣議決定された「日本再興戦略改訂2015」にも盛り込まれるなど、今後、法改正に向けた議論が加速する可能性があります。
本号では、上記報告書の概要を説明するとともに、私的整理(事業再生ADR)への多数決原理導入に向けた課題や今後の展望について解説を加えております。