新型コロナウイルス感染症対策専門家会議 脇田座長ご説明

(第13回新型コロナウイルス感染症対策本部)

新型コロナウイルス感染症の特徴は、基本方針案にも記載されているとおり、

1. 一般的な状況での感染経路は飛沫感染、接触感染ですが、閉鎖空間で、近距離で多くの人と会話をするなどの一定の環境下であれば、咳やくしゃみ等がなくても感染するリスクがあります。
2. また、感染力は事例によって様々で、一部に、特定の人から多くの人に感染が拡大したと疑われる事例がある一方で、多くの事例では感染者は周囲の人にほとんど感染させていません。
3. さらに、罹患しても軽症であったり、治癒する例も多いですが、重症度としては、季節性インフルエンザと比べて高いリスクがあります。特に、高齢者・基礎疾患を有する者では重症化するリスクが高いです。

こうした特徴を踏まえて、昨日(2月23日)の専門家会議では、
1. クラスターが次のクラスターを生み出すことを防止するため、感染拡大防止策を徹底すべきだ、という意見。
2. 入院期間が長くなる事例が報告されていること等を踏まえ、患者数が増加した場合を想定した医療提供体制を整えることが必要だとする意見。
3. 感染の不安からむやみに医療機関を受診することは、かえって感染リスクを高めることになるといった意見。
がありました。
本日、厚生労働大臣から御説明いただいた基本方針案は、こうした意見を踏まえてまとめていただきました。

また、現在、専門家の間では、対面で人と人との距離が近い接触(互いに手を伸ばしたら届く距離)が、会話などで一定時間以上続き、多くの人々との間で交わされる環境は感染拡大リスクがあると考えております。
今回の基本方針にも、それがウイルスの特徴として記載されており、国民の皆様に「感染しやすい環境を避けていただく」よう呼びかけています。

専門家会議としても、今が、極めて大事な時期だと認識しています。先ほど厚生労働大臣から、対策チームを北海道に派遣する予定とのお話がありましたが、政府におかれては、この基本方針に基づき、早急に様々な対策を実行に移していただきたいと思います。