報道発表資料

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2023年01月31日
  • 地球環境

パリ協定6条の実施に関する世界銀行との覚書への署名について

1.令和5年1月26日(木)、松澤裕地球環境局長とジェニファー・サラ世界銀行・気候変動グループ・グローバルディレクターとの間で、パリ協定6条の実施に関する協力覚書の署名がオンラインにて行われました。

2.本件は、2019年に環境省と世界銀行で締結した二国間クレジット制度(JCM)に関する協力覚書を更新するものであり、今後、JCMをはじめとするパリ協定6条(市場メカニズム)の取組を含む国際的な質の高い炭素市場の構築に向けて連携し、世界全体の温室効果ガス削減に貢献していきます。

【添付資料】
・MEMORANDUM OF COOPERATION BETWEEN INTERNATIONAL BANK FOR RECONSTRUCTION AND DEVELOPMENT AND THE MINISTRY OF THE ENVIRONMENT OF JAPAN ON COLLABORATION FOR REALIZATION OF INTERNATIONAL CARBON MARKETS AND THE IMPLEMENTATION OF JOINT CREDITING MECHANISM CONSISTENT WITH ARTICLE 6 OF THE PARIS AGREEMENT

■覚書に基づく今後の主な取組

 環境省及び世界銀行は、それぞれのプログラム等を活用し、JCMの更なる拡充、及びパリ協定6条の実施を促進していきます。
 
(1) パリ協定6条実施パートナーシップ(A6IP:Paris Agreement Article 6 Implementation Partnership)における協力
 環境省と世界銀行は、A6IPを通じて、6条ルールの理解促進や研修の実施等、各国の6条実施に必要な能力構築支援に向けて協力していきます。
 
(2) 世界銀行市場メカニズム実施基金(PMI:Partnership for Market Implementation)を通じた取組
 環境省は、これまでのJCMでの経験を踏まえ、人材の提供や6条の実施拡大、JCMプロジェクト拡大の観点から、PMIに関連するプログラムに参加します。
 ※PMIは、新興国及び開発途上国における温暖化対策としての市場メカニズム(排出量取引制度、炭素税、パリ協定第6条含むクレジット制度)の制度設計・導入を支援するため、世界銀行主導で設置された基金。
 
(3) 国際及び地域イベントを通じた連携
 環境省は、気候資金、投資、市場の動向をテーマとして世界銀行グループが毎年開催している「気候のためのイノベーション」(I4C : Innovate 4 Climate)に参加し、JCMに関する情報発信を積極的に行います。
 
(4) Carbon Pricing Leadership Coalition(CPLC)
 環境省は、世界銀行が公共・民間セクターの関係者を集めてカーボンプライシングについて議論・提唱するための取組であるCPLCに関与し、国内の取組の紹介等を通じて、引き続き、世界におけるカーボンプライシングの議論に貢献します
 
(5) Climate Market ClubやClimate Warehouseを含む革新的な気候対策
 環境省は、引き続きClimate Market ClubやClimate Warehouseの取組に関与し、パリ協定6条に沿った国際的な炭素市場の実現に係る能力構築支援に貢献していきます。
 ※Climate Market Clubは、パリ協定6条の下での各種メカニズムの実施を実務面から議論し、促進する意見交換を目的とした取組です。
 ※Climate Warehouseは、パリ協定6条に沿って創出される緩和成果の情報を記録・集積するデータシステムです。


※ 覚書の詳細については別添を御参照ください。

【参考1】地球温暖化対策計画(令和3年10月閣議決定)におけるJCMの目標等

http://www.env.go.jp/earth/ondanka/keikaku/211022.html

 JCMは、途上国等への優れた脱炭素温室効果ガス削減技術、製品、システム、サービス、インフラ等の普及や対策実施を通じ、実現した温室効果ガス排出削減・吸収への日本の貢献を定量的に評価するとともに、我が国のNDCの達成に活用するため、構築・実施するものです。これにより、官民連携で2030年度までの累積で、1億t-CO2程度の国際的な排出削減・吸収量の確保を目標としています。

【参考2】パリ協定6条実施パートナーシップについて

(1)概要
 パリ協定6条の能力構築に向けた国際的な連携を促進するとともに、優良事例等の情報共有や実施に関する能力構築支援を実施するパートナーシップとして、日本が主導してCOP27で立ち上げ。本年1月末時点において74の国や機関が参加。
 
(2)活動内容
  • 6条ルール(NDCへの貢献、相当調整など)の理解促進
  • 政府承認等を含む体制構築に向けた優良事例の共有
  • 6条実施のための情報プラットフォームの構築
  • 6条報告に関する相互学習や研修の実施
  • 6条4項メカニズム方法論作成の支援
  • 質の高い炭素市場の設計
 
(3)ホームページ
Paris Agreement Article 6 Implementation Partnership
https://a6partnership.org/

連絡先

環境省 地球環境局 国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官室
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8246
参事官
水谷 好洋
国際企画官
小圷 一久
JCM推進企画官
重松 賢行
担当
松本 恵里