文化審議会著作権分科会基本政策小委員会(第3回)

日時:令和5年3月17日(金)

13:00~15:00

場所:オンライン開催

議事

  1. 開会
  2. 議事
    • (1)ニュースコンテンツ配信分野の実態調査について
    • (2)デジタルプラットフォームサービスにおけるクリエイターへの対価還元に関する調査中間報告(映像)
    • (3)令和4年度基本政策小委員会の審議の経過等について
  3. 閉会

配布資料

資料1
ニュースコンテンツ配信分野の実態調査について(公正取引委員会発表資料)(731KB)
資料2
令和4年度基本政策小委員会の審議の経過等について(案)(235KB)
参考資料
著作権法の一部を改正する法律案(概要)(339KB)

議事内容

【末吉主査】  それでは、ただいまから、文化審議会著作権分科会基本政策小委員会第3回を開催いたします。

本日は、御多忙の中、御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。

委員の皆様には、ウェブ会議システムを利用して御参加いただいております。皆様におかれましては、ビデオをオンにしていただくとともに、御発言をいただく際には、御自分でミュートを解除して御発言をいただくか、事務局でミュートを解除いたしますので、ビデオの前で大きく手を挙げてください。

議事に入る前に、本日の会議の公開につきましては、予定されている議事内容を参照しますと、特段、非公開とするには及ばないと思われますので、既に傍聴者の方々には、インターネットを通じた生配信によって傍聴をしていただいているところでございます。特にこの点、御異議はございませんか。

(「異議なし」の声あり)

【末吉主査】  それでは、本日の議事は公開ということで、傍聴者の方々には、そのまま傍聴いただくことといたします。

それでは、まず、事務局から配付資料の確認をお願いします。

【木南流通推進室長補佐】  資料の確認の前に、本日、御出席の委員のうち、井上委員と岸委員につきましては、14時に御退室予定と伺っております。

それでは、配付資料の確認をさせていただきます。お手元の議事次第を御覧ください。配付資料としましては、議事次第のとおり、資料1及び2、これらに加えて、表紙右上に赤字で「投影のみ」と記載のある、本年度実施している調査研究に関する資料が1点ございます。

以上でございます。

【末吉主査】  最後に、事務局から紹介のありました資料につきましては、調査研究を委託している三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社様から、事業実施中での報告であるため、投影のみの取扱いを要請いただいております。この要請を受けまして、ウェブ会議と、そのライブ配信の画面上投影することとし、文化庁ホームページには掲載しておりません。御承知おきいただくとともに、取扱いには御注意いただけるようお願い申し上げます。

それでは、議事に入ります。本日の議事は、議事次第のとおり、1、2、3の3点となります。

早速、議事1のニュースコンテンツ配信分野の実態調査についてに入りたいと思います。報道コンテンツのデジタルプラットフォーム上での利用については、EUのDSM指令においても関連規定が設けられているところであり、このことも小委員会の論点の1つに挙げていたところであります。本日は、これに関連し、報道機関とデジタルプラットフォームサービスに関する公正取引委員会の取組について、公正取引委員会事務総局デジタル市場企画調査室長の稲葉僚太様より御説明をいただきたいと思います。

それでは、よろしくお願いいたします。

【公正取引委員会(稲葉様)】  公正取引委員会の稲葉と申します。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。

早速ですが、私のほうから、本日、ニュースコンテンツの配信分野に関する、私ども公正取引委員会のほうで今まさに実施中なんですが、この実態調査について御説明をさせていただきます。今、画面共有をさせていただいたのですが、資料のほうはしっかり投影されておりますでしょうか。

まず、公正取引委員会が実施しております、この実態調査とは何かということなんですが、それについて簡単に先に御説明をさせていただきますと、公正取引委員会は、デジタルプラットフォーム事業者の独占や寡占といった問題によって生じる弊害などデジタル市場における競争上の問題に対して、独禁法違反行為に関する事件審査を行って、行政処分を通じて、その違反行為の是正を図るといったこととともに、そういった個別の違反事件審査とは別に、広く業界における取引慣行などの実態を調査して、問題が認められた場合には、独禁法や競争政策上の考え方を示していくといったことによって、違反行為の未然防止ですとか、関係事業者における競争制限的な取引慣行の自主的な改善に向けた取組を促進していくといった観点からの提言を行っておりまして、こういった取組を我々、実態調査というふうに呼んでおります。

これまで、デジタルプラットフォームの関係で、例えばスマートフォンのアプリですとか、ネット広告など、様々なサービスについて、我々のほうで実態調査を実施してきておりましたが、本日は、今現在調査を進めておりますニュースコンテンツ配信分野の実態調査について御説明いたします。

この調査は、ニュースメディアとニュースプラットフォームの取引をめぐって、独禁法ですとか競争政策上の問題がないかといった観点から実施しておるものではあるんですが、特に新聞社、雑誌社、放送事業者といったメディアが制作をしたニュースコンテンツという、この著作物の使用においては、著作権の問題とも密接に関連する問題があり得るのではないかと考えているところです。

まず、今回の調査の背景から簡単に申し上げますと、御案内のとおりかもしれませんが、近年、ニュースコンテンツに関して、消費者の接点として、新聞とか雑誌といった既存の紙媒体でのメディアの利用が減少する一方で、インターネット上でニュースをまとめて配信をしているニュースポータルなどのニュースプラットフォームの利用が増加しております。そういった中で、ニュースプラットフォームと新聞や雑誌、テレビ放送といったニュースメディアとの取引、それから、ニュースプラットフォームにおいてニュースコンテンツの利用の状況によっては、消費者が質の高いニュースコンテンツを享受することが困難になるおそれがあるといったことなど、国民生活において重要な役割を担っているニュースコンテンツの提供に影響を及ぼすといった懸念が指摘されていることも踏まえて調査を実施しているものです。

したがいまして、今回の調査は、インターネットを利用して読まれているテキストベースのニュースにフォーカスしておりまして、消費者がこういったネットニュースを読む場合の経路としては、大別すると、今の資料でお示ししています、この右側の①から⑤の経路があるのかと考えております。

このうち、プラットフォーム事業者が特に関わるものとしましては、ニュースをまとめて配信をするニュースポータル、それから検索結果としてニュースの短い抜粋、いわゆるスニペットという形で表示をして、そのリンクを提供するといったインターネット検索、この2種類があると考えております。

そして、これらの経路を通じて、消費者に提供されているニュースコンテンツに関しては、メディア側から様々な指摘がなされているところですが、主なものを大別しますと、こちらにあります、①、②とありますが、大きくは1つ目として、ニュース記事の使用に係る対価の問題、それから2つ目として、インターネット検索におけるニュースコンテンツの表示順位の問題、こういった問題があろうかと考えております。

1つ目の対価の問題に関しては、ニュースポータルを運営していますデジタルプラットフォーム事業者は、ニュースメディアとの間でライセンス契約を締結して、メディアが作成したニュースコンテンツをニュースポータルサイトなどで利用しているんですけれども、その対価の水準が著しく低いといった指摘がメディア側からはなされているところです。このようにこのニュースポータル、そのうち特に全文を提供するものに関しては、ライセンス契約に基づいて一定の対価が支払われている一方、インターネット検索については、スニペット、この短い抜粋ですとか、それから写真が、対価を支払うことなく利用されているといった指摘もなされております。

このスニペットについては、いわゆる軽微利用に該当するということで、著作権が制限されているというふうに理解しておりますが、一部のメディアのほうからは、プラットフォーム事業者が、メディアが制作したニュースコンテンツの一部を利用する形で広告収入などの利益を上げているということから、メディアに対して、その収益の適正な分配が行われるべきではないかといった声も聞かれるところです。

また、仮に消費者が、このスニペットの閲覧によってニュースを消費していると、つまり、特定のニュースを読もうとした場合に、検索結果を閲覧するだけで終わってしまって、ニュースメディアのサイトのリンクをクリックして全文を読むといったことがなされていないという状況が一定程度あるとすれば、この著作権者の利益が不当に害されていると考えることもできるのではないかと思っております。

いずれにせよ、消費者によるニュースの閲覧に係る行動も含めて、引き続きよく実態を把握していきたいと考えているところです。

それから、この2つ目のインターネット検索におけるニュースコンテンツの表示の順位の問題については、インターネット検索の検索結果として、特定のニュースコンテンツについて、コンテンツを制作したメディアのウェブサイトではなくてコンテンツを二次利用しているニュースポータルのサイトが上位に表示され、そうした結果、消費者は、こちらの右側の図で言いますと、この①の経路ではなくて②の経路でニュースポータルに掲載されたニュースを閲覧します。そういったことでニュースメディアのほうのサイトの閲覧数が減少して、メディアにおける広告収入が減少しているといった指摘もなされております。

こういった問題については、我々公正取引委員会のほうでは、一昨年、令和3年にも、デジタル広告分野の実態調査といった実態調査を実施したときに、この問題も取り上げまして、ニュースプラットフォームとニュースメディアとの取引における透明性や公正性を高める観点から、例えば対価の算定に関する基準や根拠等が明確化されることが望ましいといったことですとか、それから当事者間において適正な交渉が実施されることが望ましいといった公正取引委員会としての考え方を取りまとめて、改善を促してきたところです。

しかしながら、その後の状況を見てみますと、こういった問題について改善が見られないということから、このニュースコンテンツ配信分野に特化した実態調査を実施した上で、課題の解決に向けて関係省庁とも連携しつつ、より実効性のある提言を行うといったことを目的としまして、本件、この調査を昨年の11月から開始しております。

今回の実態調査では、ニュースプラットフォームとニュースメディアの間の具体的な取引条件の設定などにつきまして、ニュースプラットフォームによる不当な行為が行われていないかといった観点から、関係事業者へのヒアリングですとかアンケート調査などを通じて、今、実態の把握を進めているところです。調査の結果、独禁法、それから競争政策の観点から問題が認められた場合には、このニュースプラットフォームとニュースメディア間における交渉を通じた取引条件の適正化を促進するといった観点から、どういった対応が有効であるかということを、関係省庁として、特に文化庁さんのほうとも連携をさせていただきながら、必要な対応について検討していきたいと考えております。

私からの説明は以上になります。

【末吉主査】  どうもありがとうございました。

それでは、ただいまの御発表への御質問や本議題への御意見がございましたらば御発言ください。いかがでしょう。

坂井委員、どうぞ。音声、駄目ですか。じゃあ、ほかの方の御発言を先に受けています。ちょっと様子を見てみて。

ほかにいかがでございましょう。菅委員、どうぞ。

【菅委員】  ありがとうございます。

今回テキストベースのニュースサイトのみというふうに、フォーカスしてとおっしゃいましたけれども、テキストベースだけというのは、現状ほとんどないと思っております。報道の写真とか、目を引くサムネイルとかも含めて考えてよろしいでしょうか。

【末吉主査】  いかがでございましょうか。

【公正取引委員会(稲葉様)】  ありがとうございます。

今、御指摘のとおりでございまして、もちろん写真とかサムネイル、そういったものを含めて考えておりまして、説明が若干不十分だったかもしれませんが、テキストベースと申し上げたのは、テキストだけということではなくて、テキストとの対比で申し上げると動画のニュースというのも1つ大きなものとしてありますので、そういったものではなくて、今回そのテキストを中心としたものについて調査を実施しているというふうに御理解いただければと思います。

【菅委員】  了解いたしました。ありがとうございます。

【末吉主査】  ありがとうございます。

ほかにいかがでございましょうか。

坂井委員、どうぞ。

【坂井委員】  発表ありがとうございました。

お伺いしたいのが、他国での状況、欧米、特にアメリカ、ヨーロッパと比べて、この今の日本の状況というのは、例えば①、②の問題について著しく悪いのか、あるいは他国相当なのか、そんなところをちょっと教えていただければと思いました。

【公正取引委員会(稲葉様)】  御質問ありがとうございます。

まさにそういったところも含めて、今、実態調査を行って実態の把握を進めているところでありまして、ちょっと現時点で、まだ実態調査の途中なものですから、ちょっとあまり、そういった欧米との比較も含めて確定的なことは申し上げにくいということであるんですが、その上で、欧米のほうとの比較という意味では、若干の違いがある部分もあるかなと思っておりまして、欧米のほうは、先ほどのニュースの閲覧経路ということでは、ニュースをまとめて、その全文も含めて配信しているような、いわゆるニュースポータルよりは、インターネットの検索を通じて、その検索結果ないしは、その先にあるメディアのオリジナルのウェブサイトのほうで、そのニュースが閲覧されるという傾向が強い一方で、日本のほうは、この傾向も含めて今調べているところではあるんですが、どちらかというと、その検索もそうなんですが、それに加えて、いわゆる○○ニュースという形で、その記事の全文も含めて配信しているような、そういった、いわゆるニュースポータルを通じて記事を閲覧する消費者が、諸外国に比べると比較的多いといった状況にあるのかなというふうに今時点では見ておりまして、そういった違いも含めて、今後どういった具体的な対応が必要かということをこれからよく考えていきたいと思っているところです。

【坂井委員】  ありがとうございました。

【末吉主査】  ありがとうございました。

ほかに皆様、いかがですか。

よろしいですか。ありがとうございました。

稲葉様、御丁寧な御説明をありがとうございました。何とぞ文化庁とも連携を図っていただいて、よろしくお願いしたいと思います。ありがとうございます。

【公正取引委員会(稲葉様)】  ありがとうございました。

【末吉主査】  ありがとうございました。稲葉さんにおかれましては、御協力をいただきまして、誠にありがとうございます。

それでは、次に参ります。議事の2、デジタルプラットフォームサービスにおけるクリエイターへの対価還元に関する調査中間報告(映像)に入りたいと思います。前回は、電子書籍分野での対価還元の実態に関する調査結果について御報告をいただきました。今回は、映像分野での調査結果について、前回に引き続き、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社の萩原様に御発表をいただきます。

それでは、準備が整いましたら、よろしくお願いいたします。

【三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(萩原様)】  萩原と申します。前回に引き続き、本日もどうぞよろしくお願いいたします。

では、画面を共有させていただきます。早速ですが、内容について御説明させていただきます。末吉先生からも御紹介いただきましたデジタルプラットフォームサービスにおけるクリエイターへの対価還元に関する調査ということで、前回は電子書籍でしたが、今回は映像ということで御紹介させていただきたいと思います。

調査の目的については、原則、前回の発表内容と同じになっていますが、簡単にラップアップさせていただきますと、クリエイターの適切な対価還元の在り方について検討していく中で、昨年度は音楽分野ということで調査を実施したところですが、本年度については電子書籍、映像分野についても、市場がとても伸びているということで、この辺りについても整理したほうがよいのではないかという問題意識から、昨年に電子書籍、本年から3月の間には映像について中心に調査を進めてきたところでございます。

本日は、映像分野のほうだけを御紹介したいと思っております。スケジュールの詳細は繰り返しとなるので申し上げませんが、1月からスタートし、映画製作会社2社、アニメ制作会社1社、配信事業者4社、芸能事務所2社、また、テレビ局には書面調査を実施したところでございます。

では、早速ですが、内容に入る前に用語の説明といいますか、一応簡単にさせていただきたいと思います。調査対象は主にVODサービス、いわゆる定額型のサブスクリプションモデルであるSVODと呼ばれているものから、あとは都度払い、ペイパービューと言われているものでTVODというレンタル形式と買い切り型のESTと2種類ございます。さらには広告モデルということでAVODというものがございます。SVODとTVODを組み合わせて提供している方々もいらっしゃいます。

また、今回の調査については、SVODと主に製作委員会の幹事となる映画製作会社とテレビ局とのの間の取引について中心に調査しています。ただし、例外的に、やっぱりUGCは影響力が大きかろうということで、UGCはAVODなども扱っているため、関係性としてはねじれの位置にありますが、UGCプラットフォーマーとクリエイターとの関係性についても調査を行ったところでございます。

主な例については、一覧表の右側につけておりますので、御覧いただければと思っております。

今申し上げたとおり、大きくは配信サービスとUGCプラットフォーマーを対象としていますが、先ほど申し上げたようにねじれの位置関係にあることだったり、UGCは前に代替するようなサービスがあったとは言いにくいので、調査の項目もそれぞれ異なっております。スライドの7ページ目に、対応関係についてお示ししておりますが、スライドの右上に、アイコンをつけておりますので、このアイコンで、今この話をしているのかとイメージしながら聞いていただければ大変幸いでございます。

まず、配信の市場について、簡単におさらいさせていただければと考えております。映像作品の配信市場は年々増加傾向にございまして、2016年時点では1,630億円ぐらいでしたが、2021年にはおおよそ3倍にあたる4,230億円まで成長しています。また、テレビや映画など、他のメディアと比較については、先のデータの1年前である2020年のデータが公表されていまして、3,710億円ということで2020年の中では10%を占め、放送、民放、CS、NHKなどに比べると、そこまで大きくはないですが、映画とパッケージを大体合わせたぐらいの規模感になっているところが1つ特徴になっているところでございます。

9ページ目では、調査に当たっての結果の概要を一覧表で示させていただいております。SVOD、いわゆる定額配信型のサービスについては、大きく作品のタイプは3つと思います。特定のサービスについて非独占のライセンスを与えている場合と、独占のライセンスを配信事業者に与え、ほかの配信会社に与えないもの。また、配信事業者オリジナル作品ということで、配信事業者が映画製作者となり、そもそも権利は原始的に配信事業者が補油し、映画会社や製作会社はサービスとして納品しているというケースの3つ大きくあるということで、後段ではそれぞれについて御紹介したいと思っております。

大体、整理の方法については、対価の還元が固定なのか比例なのか。また、どういうふうに情報を著作権者の方々に戻しているのかを整理しています。情報については、例えば、この配信サービスでの視聴回数やダウンロード数などの情報は、収益が妥当なのかという判断する手段にもなりますし、さらに言うと、ほかのところに次の作品を売るときにもPRすることにも影響することでもありますので、情報還元がどのように行われているのかもお伺いはしています。

同様に、ペイパービューについても、TVOD、ESTは、大体比例報酬ですが、どのような扱いなのかについて整理しています。あと、AVODということで、テレビ放送の見逃し配信などを対象としたもので、どういうふうな形で収入が還元されているのかといったところを整理しています。

関係性については、今の5つの行に合わせて、それぞれ詳細を次のページから見ていきたいと考えております。

また、こちら10ページ目は御参考で詳細な説明はしませんが、そもそも製作委員会とは何かというところを確認される場合には、こちらのページ御覧いただければと思っております。あわせて、下段のほうに書いてあるとおり、本当に今回について配信事業者がライセンスを受けるというケースもあれば、配信事業者が映画製作者になって、権利者になって発注するというケースもありますので、その点は留意しながら見ていただければと考えております。

では、具体的な内容を11ページ目以降から入っていきたいと思います。まず、SVODの中の非独占ライセンス作品についての御紹介です。当たり前だろうという項目も改めて簡単に御紹介させていただきますと、SVODについては、ライセンスは有期で固定報酬というケースが多く見られたところです。ただ、固定報酬の場合については、これは後段で触れますけれども、結構、日本特有の特性として、ライセンス期間1年とか、長くても3年とか、そういうケースが多いということで、結構短いというところは特徴だということは、いろいろな方からお伺いしたところでございます。

比例報酬制のケースもありまして、比例報酬制の場合については、ミニマムギャランティーが設定されていて、比例報酬の比例も視聴回数等に連動するということを伺っています。ただ、小規模な配信事業者の場合については、MGを超える報酬額を得られないことも多く、実質上MGのみの固定報酬となっているケースも結構あるという話も伺っております。

比例報酬の設定されている場合については、自動、1年と言わず自動延長事項が盛り込まれることもあるけれども、そんなに多くないという御意見は各所から伺っているところです。

また、固定報酬でのライセンスの場合については、特に、総再生数とか総時間数、総視聴可能者数、場合によっては、当該サービスの登録者数などの情報を提供しない配信事業者さんも結構見られますということでした。ただ、一方、当然ではありますが、比例報酬の場合は、視聴回数等が算定根拠になりますので、こういった情報は著作権者に共有されていますと伺っております。

ただ、この情報提供の細かさについては、結構プラットフォーマーにより、かなり異なるみたいで、固定報酬でもかなり詳しい情報提供を行っている事業者もあることも、他方で報告を受けているところでございます。

続きまして、12ページ目です。こちらについては、独占ライセンスを配信事業者に与えるというケースになります。独占ライセンスの場合は、先ほどの非独占のライセンス期間が1年だったことに対し、5年から10年と、場合によっては15年と長期のライセンス契約を結ぶケースもあると伺っています。

ただ、ライセンス料は固定報酬のケースも多くて、日系の配信事業者ではMGプラス比例報酬というケースも見られますが、固定報酬のケースも多いという御意見をいただいているところでございました。

独占配信契約を結んだ場合は、劇場上映、テレビ放送、DVD、EST、TVODなどへの展開の利用が一定期間、例えば、短いものは数か月、長いものだと数年はいわゆるホールドバック条項が付与されているケースが多いと伺っております。金額が高いほど、この辺りのホールドバックの条件がどんどん厳しくなっていくというところも伺っています。

こちらは非独占も同様ではありますが、報酬の基準や相場はなく、独占配信の交渉のタイミング、劇場公開前後によっても料率が変わり、配信事業者主導というよりは、聞いた限りでは、ライセンスする側のほうの戦略に基づいて、どうするかというのが決められているということでした。例えば劇場公開前後で申し上げると、結構ヒットが見込まれるが、思ったよりライセンス料が高くない場合には、公開して興行収入は大きいということが判明してから価格交渉に入ることで、より高い金額を交渉していくというケースもあれば、公開前に契約を済ませておくことであらかじめ収入が見込めるようにすることで、リスクヘッジすることもあるとのことでした。この辺りはもう本当に戦略によるという話は伺っているところでございます。つまり、当然ながら非独占にするか独占するかというところも、映画製作会社で決められて、どちらが収益上よいのかを決めていくということで、戦略的に行われているということでした。

情報提供については、繰り返しになりますが、固定報酬の場合は情報提供がない場合が多いというところでした。

続きまして、オリジナル作品は配信事業者がリードしていき、製作費を映画会社・製作会社に支払い、作品を納めているというケースです。その場合は、配信事業者が主導で行っていくということになります。

このパターンには、映画会社と配信事業者の共同で企画して、権利は配信事業者が有したり、映画会社が有していたり、共同名義になっているケースもあるということも伺っていますので、いろいろなパターンがあります。

配信事業者、特に外資の事業者は、全世界の配信を前提とされているので、ステークホルダーが少ないほうが、意思決定のスピード感もあり、柔軟な展開しやすいということで、大体1社に対して製作費を支払い、納品してもらうというケースが多いと伺っています。

また、情報提供については、やはり権利がそもそも配信事業者にあることもありますので、そもそも視聴者数等の情報提供はないという仕組みになっているとのことでした。

続きまして、14ページ目です。こちらは、PPV(TVOD、EST)といったものになりまして、こちらについては、原則1件当たりの報酬が決められおり、比例報酬の仕組みでのお支払いということになります。

TVODは、レンタル形式についてはMGが設定され、その後、レンタルの回数に応じて支払われるという形になります。他方、ESTは、MGが設定されることは基本的にはないと伺っております。旧来のものと比較すると、TVODはレンタルビデオ屋、ESTはDVDの販売店の仕組みに近い傾向があります。

また、TVODは、複数作品をまとめてお納めするときに、権利者側がMGを提示することもありますと伺っています。支払い方法も、基本的には配信事業者の定めに基づいて、その情報とともに対価が支払われるという仕組みになっています。情報提供については、比例報酬の算定根拠になるので、原則情報提供が行われると伺っております。

続きまして、AVODのサービスについての御紹介です。AVODは、権利者が配信事業者にライセンスしているケースもあれば、ライセンス契約をせずに、著作権者が自らそのサービスの上でアップロードして、場所を提供するというケースがあると伺っております。

後者のケースとしてTVerさんの事例を紹介します。15ページ目の下段で御紹介させていただいておりますが、各放送局さんが自ら集めた広告主の広告収入の一部をプラットフォーム利用料としてお納めしていたりとか、あとはTVerさんが集めた広告について還元するとか、そういった相互作用でやられているということでした。でも原則は、TVerさんがライセンスを受けるという立場ではないということでした。したがって、アップロードする作品は各放送局が権利を持ち、自らアップロードするという仕組みになっておるところでございます。また、広告がテレビ局経由やTVer経由などがあるので、情報はお互い確認できるようになっていると伺っております。

続きまして、16ページ目以降では、UGCプラットフォーマーの例について御紹介します。改めての確認になりますが、UGCを簡単に紹介するとユーザーが権利を持ち、自ら作品をアップロードし、他のユーザーに見てもらって、ユーザーは広告視聴やペイパービューで1つの動画をレンタルしたり、購入したり、もしくは投げ銭ができたりとか、様々な収益を得る手法があり、UGCプラットフォーマーが収益を得て、一部をユーザーにお戻しする仕組みになっているところです。活用方法は様々あり、個人で実施する場合もあれば、法人としてチャンネルを持っているケースもあり、個人の中には趣味として動画をアップロードする方もいれば芸能事務所等に所属し、ある意味、芸能活動の一部として活動されているケースもあります。

法人の方も様々な使用方法があり、いわゆる上映または放送中、あるいは放送予定、放映予定の作品の予告編としての活用や、その延長で一部作品が見られることや、あとはPPVにライセンスするほどではないが、過去作品をアップロードして広告収入を稼ぐケースも見られているようです。

また、UGCプラットフォーマーは、法人の利用に合わせるように法人向けのサービスを提供されているケースもあり後段は、それも簡単に御紹介させていただきたいと思います。

こちらが大体、UGCプラットフォーマーの概要で、先ほど申し上げたとおり、芸能事務所に所属されている方々もおりますので、そもそも誰に権利を有し、誰が作品に関与しており、海賊版対策のスタンスはどうなるのかを17ページ目に簡単に御紹介しているところです。

まず、そもそもクリエイターをどうやって発掘しているのかですが、もともと芸能事務所に所属しているクリエイターがUGCプラットフォームにも活動の幅を広げるというケースもあれば、UGCプラットフォームで活躍された方をスカウトすることや、あとオーディションで選抜して、UGC上のプラットフォームで活躍される方々を選び、その方々を育成していくというケースもあります。加えて、もともとは、UGCプラットフォームで活躍することは考えていなかったタレント志望の方々を、まずはUGCプラットフォームで知名度を高めていこうということで一から育成するというケースもあるようです。大体この3つのパターンかなという話を伺っております。

この検討会に比較的関連するところは、クリエイターと芸能事務所の間で、権利がそもそもどこに帰属しているのかについてですが、各事務所さんで判断は異なっているようです。まず、そもそも最初から権利はクリエイターに帰属しているところもあれば、事務所に所属している期間は事務所が持っているけれども、契約満了後・退所後については本人にお戻しするというケースがあります。あとは、ちょっと違う軸で、クリエイターが自らアップロードせずに、事務所が、いわゆる企画・制作を行いアップロードする動画もあります。その場合は事務所に著作権が帰属し、クリエイターの方々には出演料としてギャラを払うという仕組みもあると伺っております。

収益の対価の還元の方法もかなり各社異なっておりまして、UGCプラットフォーマーからの収益は、一部をクリエイターに還元され、その一部を事務所に支払うという仕組みになっています。クリエイターに直接還元されるケースもあれば、事務所のほうで報酬を管理して、その一部をクリエイターに還元するということで、どちらの方向もあると伺っているところです。

作品作りも、所属のクリエイターさんから依頼があった場合に、芸能事務所のほうで撮影等の手配を行い、固定報酬をクリエイターから事務所にお金を払うケースもあれば、会社が制作費を負担する場合もあり、クリエイターが自ら制作関連を手配し、制作費もクリエイターが直接払うというケースもあるようです。共通していたところは、基本的にクリエイターの意向に沿うと伺っているところです。

海賊版対策もそれに近い内容になっており、海賊版の動画が現れたときに、削除か、プラットフォーマーのツールを用いて収益の還元を受けるのか、あるいは対処しないという3択ある中で、その選択も原則クリエイターの意向に沿って対応すると伺っています。

18ページ目です。代表的なプラットフォームということで、YouTubeについて簡単に御紹介させていただきたいと思います。簡単に申し上げますと、パートナープログラムのメンバーになると収益を受けることができ、一定の要件を超えるとパートナープログラムに入れて、そうすると収益の対象となります。YouTubeの場合については、いわゆる広告モデルと、いわゆるサブスクリプションサービス、つまりSVODからの収益から分配されるモデルの両方あり、広告モデルは、ストリーミングされる広告から得られる純収入の55%がクリエイターに、ショート動画は、フィード広告を有効にしている場合、クリエイタープールってとこに1回お金が集められてき、そのプールからショート動画の視聴回数のシェアに基づいて、パートナーに割り当てられる収益のうちの45%が還元されるという仕組みになっているということでした。

あとは、SVODは、プレミアムユーザーの視聴時間に基づいて収益が分配されるということでした。また、基本的にコンテンツアップロードすることによって、YouTubeに対して当該コンテンツの使用するための、世界的・非独占的・サブライセンス及び譲渡可能なライセンスが付与されるといった内容になっていると伺っています。同様の仕組みになっているプラットフォームサービスは他も同様かと思います。

また、YouTubeのチャンネルと連携して、いわゆる企業さんとかが使われるものですけれども、視聴者の開拓とか、デジタル著作権処理、収益化などを管理するマルチチャンネルネットワークというものを使うことができて、その場合については収益は、このマルチチャンネルネットワークで登録した法人に支払われると伺っております。

では、そろそろ最後のほうに入っていきますけれども、じゃあ実際のところ、この配信事業者が入ってきたことで市場環境はどういうふうに変化しましたかというところについてお伺いしているパートになります。全体的にはポジティブな御意見が多く、ユーザーの観点から見ると、作品を視聴する時間的・空間的なハードルがかなり下がり、視聴者の裾野が広がっているというところは伺っています。

また、どちらかというと事業者、映画製作者側の観点から見ると、全世界配信についてのハードルが下がり世界に展開しやすくなったこと、加えて、特に外資系配信業者は大規模な制作費を投下してくれるため、クリエイターの待遇もよくなっていることや、外資流の仕組みが日本にも導入されることで、書面文化も普及してきたとも伺っています。あわせて、あらかじめ二次利用なども前提とした権利処理もかなり普及してきたというところです。

まとまって大きなお金が入ってくることで、時間的・金銭的な見通しが立てやすくなったとも聞いています。特に映画の場合はリスクがあるため、興行の見立てが立つまでやきもきするのだと思いますが、こうしたことも比較的少ないのかなというところでお話を伺っているところでございます。

他方でネガティブな変化についても、幾つかはいただいているところです。まず、既存メディアが縮小するのではないかということで、放送、映画、パッケージへの影響があるのではないかというご意見でした。ただし、配信サービスが出てくる前から、すでに海賊版による影響はみられたはずですので、どっちらの影響なのかは分かりにくいなというところもあります。

また、外資系配信事業者の場合には、契約時の準拠法をどうするのかとか、英語の契約書に対応する場合の契約交渉上のやりづらさはあると伺っています。

また、やっぱり出資額、市場規模も、先ほど御確認いただいたとおりとても大きいので、方針転換をされた場合について業界全体に対する影響はとても大きいのではないかというところも伺っています。

また、最後の4点目については、かつてレンタルビデオについては、外出してレンタルビデオを借りて家に戻ってきたというところもあり、外出するという観点からいうと、映画と比較的市長のハードルは近かったため、レンタルビデオと映画は時間に固定されないで好きな時間に観られるかどうかという違いだったんですが、配信サービスが入ってくることで、映画作品が自宅でも視聴でき、外出する手間が省けるとなると、映画館で鑑賞することに対し、相対的にハードルが上がっているとコメントをいただいているところです。

21ページ目は、これからについて伺っています。先ほどのポジティブ・ネガティブと近いところではありますが、今後の期待感と懸念点があるのではないかというところについても確認させていただいています。

期待感は、書面文化であり、著作者以外のスタッフ等も含めて書面文化が普及してきたことに貢献しているのではないか、また、やはり全世界配信を前提とした権利処理が普及してきたのではないかというところは大きく2ついただいたところでございます。

他方で懸念点としては、日本の映画会社のライセンス期間・範囲は、世界的に見るととても短いので、大規模作品を作る上でも障害になるのではないかという懸念点も挙げられている方はいました。

また、割と米国系の配信会社が多いので、彼らの仕組みが入ってくると、ハリウッド方式、いわゆる権利のバイアウトが、国内の事業者にも普及してしまうと、場合によってはクリエイターが買いたたかれるケースも出てくるのではないかという懸念点も挙げられました。

また、放送等に比べると、配信における権利処理というのは比較的煩雑なので、簡素化が必要であろうという御意見をいただいたところでございます。

22ページ目です。UGCプラットフォーマーは、類似する旧来からのメディアがないので、これからの展開についてのみお伺いしています。期待感としては、UGCプラットフォームで活躍するクリエイターは、これからも漫画家や作曲家と同様に、アーティストとしての位置づけになっているし、これからもその位置づけは高まっていくんじゃないかというところを伺ったところです。

また、所属のクリエイターの活躍の場が増えたため、総じてはプラスの影響ではないかというところで伺ってはいるところでございます。

今回インタビューで聞いた限りでは懸念点はなく、官公庁によって不用意なルール新設をしないでほしいという御意見もいただいているところです。

他方で、UGC以外のメディアも幅広く展開されている事務所の場合は、映画やテレビ番組等の無許可のアップロードを完全に撲滅できていないところは課題であるとか、あとは収益源が相対的にUGCプラットフォーマー経由が増えていくと、プラットフォーマーが方針転換したときに影響が大きく受けやすいため、収益源を分散できるようにしたいというところは伺っています。

最後に23ページ目です。以前宿題で、ユーザーの権利について伺っています。仮にプラットフォーマーが閉鎖した際にユーザーにどのような影響が出てくるのかを一応簡単にだけ調べております。

まず、メリットから申し上げると、どこでも手軽に見られるというところもあり、1本当たり見るコストは、SVODの普及によってかなり下がっていると伺っているところです。

他方で課題は、SVODは、原則、加入している期間だけ視聴できるサービスなので、サービスが終わったら当然のことながら視聴はできなくなります。一方で、先ほどのペイパービューのうちESTは買い切り型のサービスになっています。ですので、一応、購入した会社が存続している限りは、DVDとあまり変わらないという仕組みとなります。ただし、通常の場合は、そのダウンロードしたファイルを専用のアプリ等でアクティベートして再生するという仕組みになっているため、事業者側が存在しなくなると再生できなくなるというところは伺っているところです。この辺りは電子書籍でみられた課題と似たような状況なのかなと感じているところです。

最後、24ページ目については、本日、御説明したことを簡単に1ページにまとめておるところでございますので、必要に応じて御覧いただければと思います。

私からの御説明は以上でございます。お時間いただきましてありがとうございました。

【末吉主査】  ありがとうございました。

それでは、ただいまの御発表につきまして、御質問、御意見など、いかがでございましょうか。

どなたか手を挙げておられますか。ちょっとこちらから見えないところもあるんですが。御発言ある方おられますか。

生貝先生、どうぞ。

【生貝委員】  特に、ほかにございませんでしたら。

大変貴重な調査をありがとうございました。3点ほど。2点質問と、1つは簡単にコメントぐらいなんですけれども、まず1つは、特にUGCプラットフォームに関して、ユーザー生成コンテンツの海賊版というのもあり得るかと思うんですが、例えば放送局ですとか映画会社の方々のコンテンツが無断でアップロードされてしまう場合というのがある。そして、特に音楽分野においては、それに関するプラットフォーム責任に関する現在のレジームというのが、ある種のバリューギャップ問題をもたらしているのではないか。であるから、DSM著作権指令17条のようなスキームが必要なのだといったようなことが、恐らく、特に音楽が中心になって議論されているところかと認識しているんですけれども、動画について、こういったプラットフォーム責任に関するレジームについての問題意識は、何か例えばあったりするのかどうかというのが1つの御質問です。

それから2つ目としましては、特に電子書籍なんかの分野でも、これは著作権の問題ではございませんけれども、特にグローバルプラットフォームの場合、特定のコンテンツが、文化的な、いわゆるセンサーシップコードによって排除されてしまう場合というのが時々見受けられるといったようなことは、この動画市場で起きてはいないのかというのが2つ目の御質問でございます。

3点目は、これちょっとコメントと感想だけなんですけれども、あと、これは動画だけに関わるところではないんですが、電子書籍も含めて、特にアプリ経由の場合は、基本的に、さらに上にあるプラットフォームとしてのアプリストアのところで、収益の大体3割というふうに言われているくらいの手数料が取られたりしているといったようなこと、そのことを様々な形で回避するための取組といったようなものも、配信事業者様によっては行われている。その状況というのが、少なくともヨーロッパにおいては、デジタル市場法の関係規定によって大きな変化を、恐らく今年の後半ぐらいから迎えてくることになろうといったときに、その影響というのは、あの分野に限らず、恐らく注視をしていく価値があるんだろうなと思いました。

取りあえず、以上でございます。

【三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(萩原様)】  ありがとうございます。

お恥ずかしながら、3点目だけインタビューの中では確認しています。1点目と2点目はあまり正直なところ確認できなかったといったところではありますので、ちょっと今後の調査課題ということで整理したいと思います。

3点目は、電子書籍の際にはアプリの料率変更の影響は大きかったというコメントをいただいていたんですけれども、比較的、映像はお尋ねしましたが、その点はあまり確認できなかったという傾向が見られたところでございます。

下から行きますと、2つ目はやや推測も入りますが、独占ライセンス、または、制作委託の場合には、映画会社は、早い段階から作品に配信事業者が参加されているため、その辺りはある意味、センサーシップはお互い調整していると推察され、具体的に訪ねていないこともありますが、比較的問題は起こりにくかったのかなと推測しています。

1点目は、映画会社にもUGCプラットフォーマーとの関係はどうかと尋ねればよかったのですが、映画会社のインタビューでは配信の話で結構時間を大きくとってお話を伺ったので、あまりUGCに対する言及はありませんでした。ただ、VODもしくはESTについてライセンスできていないぐらい古い作品は、UGCプラットフォームにアップロードし、そこでの広告収入で稼ぐことはやっているというお話も伺っており、その点は興味深いなと思ったところでございます。そういった意味では、海賊版による被害だけではなく、そういう関係性も新たに出てきているのかと感じました。

以上でございます。ありがとうございます。

【生貝委員】  丁寧にありがとうございました。

【末吉主査】  ありがとうございます。

ほかにはいかがでございましょう。

中川委員、どうぞ。

【中川委員】  ありがとうございます。

資料で言いますと11ページの辺りに当たるのかもしれませんが、事業者の側から権利者に対して提供される情報について、固定報酬の場合と比例報酬の場合で異なる場合があるということだと思いますが、比例報酬の場合には情報が共有されることが多くて、具体的な項目としては、資料に書いていただいているような総再生数、総視聴時間、総視聴可能者数などがあると書いていただいているのですが、これらに関連して、情報の内容として十分だということなのか、あるいは、もう少しこういった情報がもらえるとありがたいんだけれどもという声があったりするのかどうかとか、その辺り何かございましたら教えていただければと思いまして。

【三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(萩原様)】  ありがとうございます。

ちょっと書き方はあまりよくなかったのですが固定報酬は総再生数、総視聴時間がなく、総視聴可能者数もサービスによってはないようでした。比例報酬は、この3つのうちの算定根拠になるものについて報告があるとのことでした。ただし、情報の粒度はかなり会社さんによって異なると伺っており、ある会社さんは本当に細かく、いつ、どれだけの人が、どの属性で視聴されたという詳細なレポートを上げてくれるため、次の作品に生かしやすいというコメントをいただいています。その意味では、比例報酬の契約については、もっとデータがほしいという要望よりは、データが詳細であるため助かるという意見のみが確認されているところです。 一方で、固定報酬は全くデータがないため、次、売るときに、幾らに設定してよいのかが全然分からず、提供してほしいという御意見が多かったです。このように意見が二極化されていて、現在提供しているデータについてのご意見は逆になかったところでございます。

以上です。

【中川委員】  ありがとうございます。

【末吉主査】  ありがとうございます。

ほかにはいかがでございましょう。

萩原さん、私から1点、よろしゅうございますか。

【三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(萩原様)】  大丈夫です。はい。

【末吉主査】  今日は、どうもありがとうございました。

端的に伺いたいんですが、ここまで映像に関して分析されてこられて、我々、クリエイターに対する対価還元というテーマでやってきているんですけれども、クリエイターに対する対価還元という観点から、これが一番問題なのではないかというような御指摘は、あるのかないのかという、そこをちょっと確認させていただきたいんですが、いかがでございましょう。

【三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(萩原様)】  少なくとも配信、UGCについては、明確に一番の問題であると特定できるほどの事項は、調査からは得られていないという結論と認識しています。

【末吉主査】  ありがとうございます。

ほかに皆様、御意見、御質問等はございますか。大丈夫ですか。

ありがとうございました。

それでは、次の議題に入ってまいりたいと思います。

萩原様、ありがとうございました。

【三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(萩原様)】  ありがとうございました。失礼いたします。

【末吉主査】  それでは、次に、議事3の令和4年度基本政策小委員会の審議の経過等についてに入ってまいりたいと思います。事務局において、審議経過報告の案を作成いただいておりますので、まず、事務局から説明をお願いいたします。

【渡邉著作物流通推進室長】  著作権課の渡邉でございます。

資料の2を御覧いただければと思います。令和4年度基本政策小委員会の審議の経過等についてでございます。今期、議題といたしましたこと、また、その際にいただいた御意見等を踏まえて、案として作成をしてございます。まず、資料を共有させていただきます。

1の「はじめに」のところでございますけれども、本委員会におきましては、知的財産推進計画2022や文部科学大臣からの諮問等を受けまして、今期主に、デジタルプラットフォームサービスに係るいわゆるバリューギャップや契約の在り方についての課題や対応について意見交換等を行ってきたというところでございます。

そして、その審議の経過等につきましては、「2.審議状況について」以下でまとめてございますけれども、今年度は主に実態の把握ということでございましたので、これらの事項につきましては、来年度以降も引き続き検討を行う必要があるとしております。

2ポツの審議状況についてございます。2段落目でありますけれども、本委員会では、前期の審議を踏まえつつ、まず、初回におきまして、今後の検討に向けた論点について御議論をいただきましたが、以下、その際に整理をされました(1)から(3)の項目ごとに審議を行ったとして資料をまとめております。

まず、(1)対価還元の実態把握と分析についてということで、デジタルコンテンツ市場の中で拡大している代表的な分野として今期、電子書籍と映像に着目をし、事務局におきまして委託調査研究の実施をし、その発表をしたというところでございます。

まず、電子書籍についてでありますけれども、1段落目に書いてございますように、デジタルプラットフォームサービスとしては、多種多様なものが存在するということ、そして2段落目、契約形態の実態につきましては、基本的なことは契約書に明記して締結されているということ、対価の算定根拠は定期的な説明がなされているということでございました。

3段落目でありますけれども、著者に対する対価の料率ということにつきまして、既存の出版社がリードする形で、我が国の電子書籍市場を開拓してきた経緯などから、紙書籍の市場と比較しても、大きな差異が生じていないのではないかということでありますとか、「また」というところで、ここに定額報酬とあるんですが、定額配信の報酬の誤りでございましたので、訂正させていただきます。定額配信の報酬につきましては、ページビューを基準に、売上げの一定割合という形で計算されているのではないかといったような知見が得られたところでございます。

次に、本日取り上げました映像についてでございますけれども、1段落目にありますように、配信事業者について、同様に多種多様に存在するということでありますとか、2段落目、契約の実態につきましては、配信サービスの形態その他によって個別に異なるということでありますとか、3段落目、著作権者への対価につきましては、配信サービスの形態による傾向であるとか、固定報酬・比例報酬による対価に関する情報提供の傾向があるということ、先ほど御報告いただいたとおりということでございます。

そして4段落目、配信事業者の登場によるビジネスチャンス拡大への期待等がある一方で懸念もあるといったようなことをまとめております。

その次の大きなパラグラフとして、これも本日、取り上げました、報道機関とデジタルプラットフォームサービスとの関係につきまして、途中段階ということでありますけれども、公正取引委員会様より、取組の紹介がなされたという事実を記載しております。

次のページですけれども、「今後」ということでありますが、これまでの実態調査の結果を踏まえて、各分野に特徴的な課題や共通するような課題などを整理・分析していくとともに、引き続き可能な限り実証的・定量的な実態把握に取り組んで、その際に、デジタルプラットフォーム上の侵害著作物の利用の状況など関連する実態にも目を向けながら検討を進める必要があるというようにまとめてございます。

(2)は、クリエイターへの適切な対価還元の将来の姿というところでございまして、前回でありますけれども、分野横断権利情報データベースの在り方に関する研究会報告書の内容を聴取し、それへの期待を確認したこと、また、コンテンツ流通の将来像を見据えながら議論していくことの必要性を確認したということでございます。

次の段落でありますけれども、いろいろな要素がございますが、急速な技術の変化の中で、クリエイターの立場から、どのような対価還元方策が望まれるのかといったことであるとか、諸外国の状況も参考にして国内の課題を分析すること、社会的な理解やコストの低減をどのように志向すべきかということ。そのために一人一人の利用者やクリエイターの意見に耳を傾けながら議論していくことの重要性等を確認したというようにしております。

その次の段落でありますけれども、私的録音録画補償金制度につきまして、パブリックコメントでの提出意見と、それに対する考え方を基に御議論をいただきました。これにつきましては、これまでの経過等も踏まえ、政府としての対応を進めていくべきことと、新しい仕組みをスピード感を持って構想していくべきことの認識を確認したとしてございます。

(3)が他の政策や著作物の取引との関係についてというところでございまして、本日も御報告いただきましたように、競争政策やデジタルプラットフォームに関する政策といった、政府全体の動向を踏まえて議論していく必要性があるということ。そして次のページでありますけれども、「また」ということで、関係者間における透明性の確保のための仕組み、その他運用上の取組を含めて、必要な対応の在り方について議論をしていくことの必要性を確認したというように記載をさせていただきました。

以降は参考資料となっております。

以上の内容につきまして、本日、御了解いただきますならば、分科会に対して報告をさせていただくということとしてございます。

私からの説明は以上でございます。

【末吉主査】  ありがとうございました。

それでは、ただいま御説明いただいた審議経過報告の案につきまして、御意見、御質問、皆様、いかがでございましょうか。

菅委員、どうぞ。

【菅委員】  ありがとうございます。

大変初歩的な質問ですけれども、消費税として、今後、ブルーレイディスクレコーダーが値上がりする可能性というのがあるという認識でよろしいでしょうか。

【末吉主査】  いかがでしょう。

【渡邉著作物流通推進室長】  事務局でございます。

初回に議論いただきましたように、私的録音録画補償金制度に関しまして、ブルーレイディスクレコーダーを指定したということで、施行をしてございますけれども、仕組み上、補償金の指定管理団体が、補償金額の認可を受けて、初めてその徴収をすることができるということになってございまして、現状、指定管理団体であるsarahにおきまして、関係事業者等との意見交換等を行っているという状況というふうにお伺いをしてございます。なので、その補償金額ということに基づく徴収とかにつきましては、そのような協議を踏まえて、今後の話ということになってございます。

以上でございます。

【菅委員】  ありがとうございます。

懸念していますのが、CDプレーヤーについてのときと同じように、パソコンのDVDディスクレコーダーはどうなるか、そして、いわゆる普通の家庭用DVDディスク、再生専用のものがどうなるかの切り分けとかについても考えていただけるとありがたいと思っております。

以上です。

【末吉主査】  ありがとうございます。

ほかに御意見、御質問はいかがでございましょう。

上野委員、どうぞ。

【上野委員】  ありがとうございます。

報告書の内容に関しましては、特に異論はございませんけれども、2点、コメントさせていただきます。

1つは、今日の冒頭の議論もそうなんですけれども、クリエイターに対する適切な対価還元というためには、著作権法だけではなく、競争政策的なアプローチであるとか、あるいは、場合によっては通信事業者的アプローチと申しましょうか、様々なアプローチが考えられるところでありまして、近時、このプラットフォーマーの大きな役割ということに鑑みますと、いずれかのみで問題に対処できるというものばかりではないように思います。著作権法の中で契約を規制していくというアプローチもヨーロッパでは一般的でありますし、それ以外の国でも見受けられるところでありますので、我が国におきましても、いわゆる著作権契約法みたいなものの検討というのも必要ではないかと思うわけですけれども、それだけにとどまらず、我が国の場合ですと、一般的な契約の是正ということにつきましても、下請法であるとか、あるいは優越的地位の濫用といった競争的アプローチというのも大きな役割を果たしてきているところですし、これからもその役割は果たされることが期待されるところかと思いますので、今日のニュースプラットフォーマーの問題も含めまして、この著作権政策と競争政策といった多面的なアプローチというのが、我が国においては検討を深められるべきじゃないかと思っております。このことは、この報告書にも、短い言葉ですけれども、表現されていると思いますので、その重要性を改めて指摘しておきたいと思います。

2点目は、先ほど少し話題になりました私的録音録画補償金制度についてでありますけれども、この制度につきまして、より広げるべきだとか狭めるべきとか、様々な議論があることはもう承知しておりますし、この文化審議会でも長く議論されてきたところではありますが、一応ブルーレイディスクレコーダーについては、新たにそれを追加するという政令指定が行われたわけでありますので、先ほどのお話ですと、まだ様々に詰める必要があり、協議中だというふうな状況だと伺いましたけれども、政令指定が既に施行されている以上、そうした機器機材を用いて私的録音録画を行うユーザーは、既に補償金支払義務を負っているというふうになるんだろうと思います。もちろん、現在sarahのお立場といたしましては、この協議が成立したときに、過去に遡って補償金の請求をすることはないと表明しておられるというふうに承知しておりますけれども、ただ、既に法律上は、私的録音録画を行う者が補償金支払義務を負っているというのは事実なんだろうと思います。言ってみたら、その権利者が補償金受取を放棄しているというふうに見ることができるのかもしれないわけであります。これはこれで非常に立派なことかと思いますけれども、そういう状態が長く続くというのは、決して望ましいことではないと思います。したがいまして、今までただだったんだから、さらに払うのは負担だというのは、それ確かにそうかもしれないんですけれども、法律上支払う義務があり、それは一定の根拠に基づいて、それが基礎づけられている以上、払うべきものを払うべきだということに、の考えも十分に成り立つのではないかと思っております。したがいまして、こうした協議が早く進むということを、私としては願っているところであります。いささか報告書それ自体の記述から踏み込んだ発言なりましたけれども、私の発言とさせていただきます。

どうも、以上でございます。

【末吉主査】  ありがとうございます。

ほかにはいかがでございましょうか。よろしゅうございますか。ありがとうございました。

審議経過報告につきましては、さらに検討いただきまして、場合によっては修正ということもあろうかと思います。修正につきましては、私に一任をしていただくという形でお願いしたいと思うのでございますが、よろしゅうございますか。

(「異議なし」の声あり)

【末吉主査】  ありがとうございます。

それでは、そのように取り扱わせていただきます。その内容を著作権分科会に後日、報告をさせていただきたいと思います。

そのほか全体を通して、何か皆様からございますでしょうか。いかがでしょう。

もし、ないようであれば、事務局の方から、このたびの著作権法の一部を改正する法律案について御報告をお願いします。

【吉田著作権課長】  著作権課の吉田でございます。本日も御審議、ありがとうございます。

それでは、私から参考資料を1枚御用意しておりますけれども、今般、国会に閣議決定をいたしまして提出いたしました著作権法の一部を改正する法律案につきまして、簡単に概要を御説明申し上げたいと思います。

これまで、この法律案の検討に当たりましては、基本政策小委員会で、もう一昨年になりますけれども、簡素で一元的な権利処理方策と対価還元につきまして、大変集中的に御議論をいただきまして、改めて御礼を申し上げたいと思います。その際の中間まとめを受けまして、昨年は、法制度小委員会で法制面につきまして詰めていただきまして、今年の2月に文化審議会の答申としておまとめをいただいた内容に即しまして、今回、この法律案の検討に当たってきたということでございます。

それでは、改正の中身につきまして、参考資料に沿いまして御説明いたします。今回、改正の内容といたしましては、大きく3点ございます。青字にございますように、1点目が新しい裁定制度の創設という形で、著作物の利用に関するものでございます。それから2点目が、立法・行政でのデジタル化を対応するための公衆送信等を可能とする措置でございます。3点目が、海賊版被害の救済を図るための損害賠償額の算定の見直しでございます。

まず1点目の新しい裁定制度につきまして、簡素で一元的な権利処理方策の具体的な制度として、今回設けることとしております1つ目の部分について御説明します。

①が、この利用の可否に係る著作権者の意思が確認できないものの利用の円滑化という内容でございます。今回、1つ目のポツにございますように、これまで集中管理がされておらず、かつ、利用の可否に係る著作権者の意思を円滑に確認できないものという形で、これまで審議会の中で議論をいただいてきておりましたが、そちらのほうを未管理公表著作物等という形で定義をいたしました。この未管理公表著作物等を利用しようとする者につきましては、著作権者等の意思を確認するための措置を取ったにもかかわらず、それが確認できない場合に、文化庁長官の裁定を受けて、補償金を供託することにより、裁定において定める期間に限り利用をすることができるというような内容になっております。なお、この裁定において定める期間につきましては、利用期間ということでございますが、法律上は3年間を限度という形に定めているところでございます。

2つ目のポツでございますが、文化庁長官が、これは権利者側から申出がある場合ということでございますけれども、著作権者等から請求があった場合には、この裁定を取り消すことによりまして、取消後は利用ができないという形になり、かつ、著作権者等は補償金を受け取ることができるようにするということで、時限的な利用としていた部分について、こういった形で制度化をしたとことになります。

同じく、続きまして、この②が、この手続の簡素化という部分でございまして、1つ目、2つ目、それぞれ民間機関で事務の一部を行っていただけるように、今回、制度化をする部分になります。

1つ目が、まず、裁定制度の申請の受付や要件の確認、それから補償金の額の決定に関します事務の一部につきまして、文化庁長官の登録を受けた窓口組織が行うことができるようにすることでございます。これによりまして、利用者から申請をいただいた内容の、その申請の手続に関しまして、一元的、簡素に行っていくような仕組みとしたところでございます。

さらに2点目といたしまして、補償金の支払取扱についてでございますけれども、こちらについては新しい制度、それから現行の裁定制度も併せまして、補償金につきましては、文化庁長官の指定を受けた補償金等の管理機関に支払うことができるようにすることにいたしました。この管理機関にお支払いをしていただくことによりまして、これまで必要でありました供託の手続を不要とすることによりまして、手続の簡素化を図ろうという内容になっているところでございます。

機能的に、このように2つに分かれた部分につきましては、他のこうした同様の制度とのバランスなども考慮しながら、こういう形に最終的に落ち着いたということではございますけれども、我々としては、できる限りこの登録と指定の機関につきましては、同じ機関で行っていただくことがより望ましいと考えている中で、今後の運用の際についても、引き続き調整をしていきたいと考えているところでございます。

これから国会での御審議が始まるということになりますので、まだ、公布・施行までには時間があるかと思っております。まず、ここまで法律案としてまとめることができましたことにつきまして、基本政策小委員会の委員の皆様方にも、改めて感謝を申し上げたいと思いますし、文化庁といたしましても、速やかな成立に向けまして、引き続き努力をしてまいりたいと考えているところでございます。

御説明は以上でございます。

【末吉主査】  ありがとうございました。

それでは、本日の小委員会、そろそろ締めに入るわけでございますが、今期最後の基本政策小委員会ということでございますので、中原審議官がお見えなので、一言、御挨拶をお願いいたします。

【中原文化庁審議官】  文化庁審議官、中原でございます。

今期の本小委員会を終えるに当たりまして、一言御礼を申し上げます。この小委員会におきましては、令和3年の大臣諮問を受けまして、主としてデジタルプラットフォームサービスに係るいわゆるバリューギャップや契約の在り方についての課題、そして実態などを踏まえた対応について意見交換をいただきまして、貴重な御意見を頂戴したものと受け止めております。

また、いただいた御知見を基にして、今後も引き続き幅広い政策論を、御議論頂戴したいと考えてございます。

また、昨年度のこの小委員会のテーマでもありました、簡素で一元的な権利処理方策を含む著作権法の一部を改正する法律案ということにつきましては、ただいま御説明を申し上げましたとおり、今月10日に閣議決定をされたところでございます。これまでの貴重な御審議、心より感謝申し上げます。今後、国会審議を通じて、この法律案の内容や必要性を丁寧に説明しまして、速やかな成立を目指してまいりたいと存じます。

委員の先生方、皆様方におかれましては、この小委員会の充実した審議のために多大な御尽力を賜りましたことに、改めまして感謝を申し上げまして、私からの挨拶とさせていただきます。本当にどうもありがとうございました。

【末吉主査】  ありがとうございました。

最後でございます。私からも一言、御挨拶申し上げたいと思います。

無事、昨年のこの本小委員会の方向性のとおり、先ほど御報告いただいたとおり、著作権法の改正案というものが国会に出ているというのは、大いに喜ばしいことではないかと思います。

先ほど上野委員が御指摘されましたが、この著作権法の基本施策を考えるに当たっては、もう著作権法を考えるだけじゃ駄目なんだなということは極めて大きな御指摘ではないかと思います。

それから、ぜひ来年度は、文化庁における通信環境、これの大いなるお見直しをいただきたいと思うところでございます。

それでは、以上をもちまして、今期の文化審議会著作権分科会基本政策小委員会は終了させていただきたいと思います。本日は、どうもありがとうございました。

―― 了 ――

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