特集:日本版司法取引

2018年6月1日、いわゆる「日本版司法取引」を導入する改正刑事訴訟法が施行されました。
これまで、日本の刑事司法は、利益供与と引換えになされた供述を基本的に証拠として認めていませんでした。日本版司法取引は、被疑者・被告人に不起訴等の利益を与えるのと引換えに得られた供述等を、他人の刑事事件の証拠として用いることを目的とした制度であり、日本の刑事司法のまさにパラダイム・シフトとなり得る制度です。
日本版司法取引のインパクト
日本版司法取引により、「贈賄事件に関与した会社員が、自分が不起訴になるのと引換えに、贈賄を指示した上司や収賄側の公務員の関与を裏付ける証言をする」といった、アメリカの法廷ドラマのような事態が日本でも実際に起こり得ることになります。
また、内部監査で刑事事件となりうる不祥事が発覚したような場合に、日本版司法取引を積極的に利用して、捜査協力と引換えに会社に対する起訴を免れるといったことも、重要な選択肢として考える必要があります。
企業としては、平時からの冷静な準備と、不祥事が発覚した際の戦略的な対応の両輪で臨む必要があります。
当事務所の強み
当事務所は、伝統的に訴訟弁護士を数多く擁し、裁判員裁判を含む刑事事件への対応を組織的に推進してきており、刑事事件について日本の企業法務事務所の中でも随一の実績を有しております。
当事務所では、日本版司法取引についても、平時における社内体制整備から有事における対応まで、検察庁出身の弁護士を含む企業刑事法務に知見のある弁護士、カルテル・会計不正その他分野で危機対応の経験を積んだ弁護士、外国の司法取引制度にも知見のある弁護士等が、事案の内容に応じて協働する態勢を整えております。
関連リンク
当該業務分野に関連する弁護士等
本特集に関連するニュース
当事務所の弁護士による著書・論文、ニュースレター、セミナー
著書・論文
- 山内 洋嗣「近時のコンプライアンス関連法制の改正及びその実務運用への影響-公益通報者保護法改正、日本版司法取引の導入、課徴金制度改正を題材に」ジュリスト No.1568
- 藤津 康彦、塚田 智宏「The International Investigations Review - Japan Chapter」 The International Investigations Review 11th Edition
- 藤津 康彦、梅津 英明、宮田 俊、御代田 有恒、塚田 智宏「Getting the Deal Through - Risk & Compliance Management 2021 - Japan Chapter」Getting the Deal Through - Risk & Compliance Management 2021
- 山内 洋嗣、山田 徹、奥田 敦貴「司法取引制度 日本版司法取引制度の中小企業への初適用~適用の広がりがもたらす影響と持つべき視点~」ビジネスガイド 2020年8月号
- 山内 洋嗣「不正・不祥事対応と弁護士・依頼者間秘匿特権」月刊監査役 No.701
- 山内 洋嗣「日本版司法取引制度と企業が行うべき実務対応~2018年7月に報道された第1号案件もふまえて~」会計・監査ジャーナル Vol. 30 No. 11
- 市川 雅士「経済事犯に見る米国の捜査協力型司法取引」季刊刑事弁護 第95号
- 森・濱田松本法律事務所編『企業危機・不祥事対応の法務〔第2版〕』2018年7月刊
- 山内 洋嗣「2018年6月に導入された日本版司法取引制度と企業へのインパクト」月刊監査役 No. 684
- 藤津 康彦「相談室Q&A 日本版司法取引制度が企業に与える影響」企業会計 Vol. 70 No. 7
- 山内 洋嗣「法務担当者のための日本版司法取引制度-企業が平時から準備しておくべきこと」BUSINESS LAWYERS
- 山内 洋嗣「2018年6月に導入される日本版司法取引制度のおさらいと企業が平時から取っておくべき方策」日本カタリストウェブサイト
- 柴田 勝之、金丸 由美、大下 真「刑事弁護レポート 薬物密輸事件の裁判員裁判の差戻審で逆転無罪を獲得した事例」季刊刑事弁護 No. 92
- 柴田 勝之、金丸 由美、大下 真「裁判員裁判レポート~裁判員裁判の差戻審で逆転無罪を獲得した事例~」二弁フロンティア 2017年8・9月合併号
- 柴田 勝之、金丸 由美、鈴木 信彦「釈明義務違反を理由に裁判員裁判有罪判決を破棄して差し戻した事例」季刊刑事弁護 No. 87
- 柴田 勝之、金丸 由美、鈴木 信彦「裁判員裁判レポート~釈明義務違反により裁判員裁判の有罪判決を破棄差戻しした事例~」二弁フロンティア 2016年6月号
- 奥田 洋一「『日本版司法取引制度』が企業に与える影響と実務対応」ビジネスガイド 2016年11月号
- 松井 秀樹「司法取引制度の導入と企業の不祥事対応」月刊監査役 No. 632
- 森・濱田松本法律事務所グローバルコンプライアンスチーム編『外国公務員贈賄規制と実務対応』2014年11月刊
- 柴田 勝之『裁判員裁判の量刑』2012年5月刊
- 柴田 勝之「裁判員裁判レポート~情状弁護に臨床心理学を活用した事例~」二弁フロンティア 2010年12月号
ニュースレター
- 梅津 英明、大野 志保、山内 洋嗣、宮田 俊、金山 貴昭「秘匿特権と危機管理実務」CRISIS MANAGEMENT NEWSLETTER 2021年3月号
- 山内 洋嗣、竹市 涼「司法取引制度の適用事例にみる企業としての対応策」 CRISIS MANAGEMENT NEWSLETTER 2019年5月号
- 梅津 英明、山内 洋嗣、小田 輝「日本版司法取引制度の導入と企業としての準備」CRISIS MANAGEMENT NEWSLETTER 2018年4月号
セミナー
- 山内 洋嗣、重冨 賢人 2021年7月13日:外部セミナー『日本社会の変容と不正不祥事を取り巻く環境変化』
- 山内 洋嗣、奥田 敦貴 2020年10月5日:外部セミナー『日本社会の変容と不正不祥事を取り巻く環境変化』
- 山内 洋嗣 2019年9月24日:外部セミナー『日本社会の変容と不正不祥事を取り巻く環境変化』
- 山内 洋嗣、大川 信太郎 2019年6月5日:外部セミナー『第二東京弁護士会 基礎一般研修 「日本版司法取引の概要と弁護士のための実務上の留意点」(会員限定)』
- 山内 洋嗣 2018年7月25日:外部セミナー『日本版司法取引(2018年6月施行)~制度の全容、検察庁による運用、よくある誤解、ケーススタディを踏まえ会社を守るために今から準備しておくべきこと~』
- 小島 義博、山内 洋嗣 2018年7月18日:事務所主催セミナー『名古屋ビジネスロー研究会(第45回)「危機管理の最新トピック2018~日本版司法取引制度への実践的対応を中心に~」』
- 藤津 康彦、梅津 英明 2018年7月11日:外部セミナー『グローバルリスクマネジメント ~不確実性時代の中、グローバル展開を進める日本企業に必要なリスク対応力~』
- 藤津 康彦、梅津 英明、山内 洋嗣、小田 輝 2018年6月20日:事務所主催セミナー(第167回ビジネスロー研究会『危機管理の最新トピック2018』
- 奥田 洋一、松井 秀樹 2015年7月28日:外部セミナー『司法取引の導入に関する刑事訴訟法改正に関する解説会』
- 奥田 洋一、菊地 伸、松井 秀樹 2014年11月5日 事務所主催セミナー(MHMセミナー)『企業の危機・不祥事対応~対当局対応を中心に~』
ニュース
- 山内 洋嗣 弁護士がWhite Collar Crime Expert Guide 2021にて高い評価を得ました
- 山内 洋嗣 弁護士がWhite Collar Crime Expert Guide 2020にて高い評価を得ました
- 山内 洋嗣 弁護士のコメントが、日本経済新聞11面『内部通報制度、浸透道半ば 根強い会社への不信感』と題した記事に掲載されました
- 山内 洋嗣 弁護士のコメントが、日本経済新聞11面『不正情報の把握 体制整備カギ、日本版司法取引制度導入から5ヵ月、通報窓口や監査拡充、報告者らの処遇課題』と題した記事に掲載されました(2018年11月5日)
- 山内 洋嗣 弁護士のコメントが、2018年7月31日付MLexの「Japan's first plea-bargain case reveals a sharp new tool to ensure corporate compliance」と題した記事に掲載されました(2018年7月31日)
- 当事務所の弁護士が担当した刑事控訴審における無罪判決が報道されました。(2018年3月2日、川城 瑛)
- 当事務所の弁護士が担当した裁判員裁判の無罪判決が報道各社にて報道されました。(2017年2月17日、柴田 勝之、池田 綾子、金丸 由美、田中 亜樹、鈴木 信彦、大下 真、中野 進一郎、村田 昇洋)
- 日本経済新聞にて、奥田 洋一弁護士、池田 毅弁護士のコメントが掲載されました。(2015年3月16日付、日本経済新聞朝刊17面『司法取引導入 企業に戸惑い 情報提供競う混乱懸念』)
- 市川 雅士 弁護士が季刊刑事弁護新人賞・最優秀賞を受賞しました。(2010年1月23日)
※公開時時点の最新情報となりますので、ご了承ください。