特集:洋上風力発電

当事務所の洋上風力発電プロジェクトへの取り組みをご紹介します。
北九州港響灘地区における洋上風力発電プロジェクト
株式会社みずほ銀行、株式会社三菱UFJ銀行及び株式会社日本政策投資銀行は、主幹事行として、ひびきウインドエナジー株式会社が実施する「北九州響灘洋上ウインドファーム」(以下「本プロジェクト」といいます。)に対するプロジェクトファイナンス(以下「本ファイナンス」といいます。)を組成しました。
本プロジェクトは、北九州港響灘地区に25基の着床式洋上風力発電設備を設置し、運転開始後20年に亘りゼロエミッション電力を供給するものです。本事業で採用される風車の単機出力は9.6MW、ウインドファーム全体の発電設備容量は220MWであり、いずれもこれまでの日本の洋上風力発電プロジェクトとしては最大規模となります。
ひびきウインドエナジー株式会社は、九電みらいエナジー株式会社、電源開発株式会社、北拓株式会社、西部ガス株式会社、株式会社九電工が出資する、2017年に北九州市による公募において選定された本プロジェクトの実施主体です。
森・濱田松本法律事務所は、日本国内で初の商業ベースでの大型洋上風力発電事業に関与した経験を活かし、本ファイナンス組成におけるレンダー側カウンセルとして本プロジェクトに関与し、主に以下の業務を提供して参りました。
●本プロジェクトの契約スキームに関する検討
●プロジェクト関連契約のレビュー
●プロジェクトファイナンスの融資関連契約の作成・レビュー
●その他、本プロジェクトに関する法的問題に関する検討
本プロジェクト概要
発電所名称 北九州響灘洋上ウインドファーム
事業主体 ひびきウインドエナジー株式会社
出資者・出資比率 九電みらいエナジー株式会社 30%
電源開発株式会社 40%
北拓株式会社 10%
西部ガス株式会社 10%
株式会社九電工 10%
事業実施区域 北九州港響灘地区の港湾区域内の水域
風車出力・基数 定格出力9,600KW・25基
本ファイナンス概要
アレンジャー 株式会社みずほ銀行、株式会社三菱UFJ銀行、
(主幹事行) 株式会社日本政策投資銀行
参加金融機関 主幹事行のほか34金融機関
融資契約締結日 2023年3月1日
担当弁護士等
小林 卓泰、野間 裕亘、高石 脩平、瀬戸 幸之助、奥田 英貴
秋田県秋田港及び能代港における洋上風力発電プロジェクト
秋田洋上風力発電株式会社(以下「AOW」といいます。)は、秋田県秋田港および能代港において、日本国内で初の商業ベースでの大型洋上風力発電事業となる着床式洋上風力発電所および陸上送変電設備(以下、洋上風力発電所)の建設・保守・運転を行うプロジェクト(以下「本プロジェクト」といいます。)を実施することを決定し、2020年2月3日、本プロジェクトに関わる融資契約を締結(以下「本融資」といいます。)しました。
AOWは、丸紅株式会社、株式会社大林組、東北自然エネルギー株式会社、コスモエコパワー株式会社、関西電力株式会社、中部電力株式会社、株式会社秋田銀行、大森建設株式会社、株式会社沢木組、協和石油株式会社、株式会社加藤建設、株式会社寒風および三共株式会社が共同で出資する、洋上風力発電所の建設・運営事業等を目的とする特別目的会社です。
本プロジェクトは、発電容量約14万kWの洋上風力発電所を建設・保守・運転し、完工後20年間にわたり再生可能エネルギーの固定価格買取制度に基づき東北電力株式会社に売電するものです。本融資は、国内外の金融機関による協調融資で組成される日本国内で初の洋上風力発電事業向けプロジェクトファイナンスです。
森・濱田松本法律事務所は、開発可能性調査段階からAOWの法務カウンセル、並びに、プロジェクトファイナンス組成における借入人・スポンサー側カウンセルとして、本プロジェクトに関与し、主に以下の業務を提供して参りました。
●本プロジェクトの契約スキームに関する検討
●許認可の取得、行政当局・地元関係者との協議の支援
●プロジェクト関連契約の作成・レビュー
●プロジェクトファイナンスの融資関連契約の作成・レビュー
●AOWの法律顧問業務
●その他、本プロジェクトに関する法的問題に関する検討
森・濱田松本法律事務所は、再生可能エネルギー発電事業やそのプロジェクトファイナンスの分野において、先進的な案件に取り組み、経験を蓄積して参りました。将来的に主力電源の一翼を担うと期待される洋上風力発電に関しても、当分野における豊富な経験の活用、海外知見の吸収、わが国の実情に即した実務の検討を積み重ね、案件受任体制を整備しております。今後も、日本国内で初の商業ベースでの大型洋上風力発電事業である本プロジェクトに関与した経験を活かし、関係事業者の皆様や関係当局と連携しつつ、わが国の洋上風力発電の発展に貢献して参ります。
本プロジェクト概要
事業会社 秋田洋上風力発電株式会社(代表者:代表取締役社長 岡垣啓司)
所在地 秋田県秋田市、能代市(港湾区域を含む)
発電容量 約14万kW
総事業費 約1,000億円
発電形態 着床式洋上風力
売電先 東北電力株式会社
運転開始 2022年(予定)
売電期間 20年間
担当弁護士等
(プロジェクト/プロジェクトファイナンス)
岡谷 茂樹、村上 祐亮、野間 裕亘、久保 圭吾、森 勇貴、大木 健輔、瀬戸 幸之助、ジェニファー・リム、安達 知彦
(電気事業法その他の規制・コンプライアンス)
市村 拓斗、高田 和佳
(コーポレート/会社法)
新井 朗司、鈴木 信彦、南谷 健太、辻 純一、小林 花梨
(通商法)
石本 茂彦
(知的財産法)
岡田 淳
(税務)
酒井 真
関連情報
ニュース
- 2023年1月11日 The Legal 500 Asia Pacific 2023にて高い評価を得ました
- 2022年12月15日 Chambers Asia-Pacific 2023にて高い評価を得ました
セミナー
- 2023年1月24日:野間 裕亘『金融機関からみた洋上風力発電事業を巡る最新実務~プロジェクトファイナンスの視点から~』
- 2022年8月29日:村上 祐亮『洋上風力発電プロジェクトの契約交渉・管理上の主要論点と勘所~EPCI・TSA FIDIC~』
- 2022年7月29日:村上 祐亮『脱炭素時代における再エネ投資の最前線〜M&A、洋上風力、FIP、コーポレートPPAの最新動向を専門の弁護士が解説〜』
- 2022年2月24日:野間 裕亘『洋上風力発電事業を巡る最新の実務と法的留意点~関連法制度や契約実務の解説から最新のファイナンスの動向まで~』
著書・論文
ニュースレター
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CARBON CREDIT / ENERGY & INFRASTRUCTURE BULLETIN 2023年2月号
「GX実現に向けた基本方針の公表について」 -
ENERGY & INFRASTRUCTURE BULLETIN 2022年6月 (Vol.32)
「クリーンエネルギー戦略(中間整理)の概要 (再生可能エネルギー、水素・アンモニア、CCS関連)」 -
ENERGY & INFRASTRUCTURE BULLETIN 2020年10月 (Vol.23)
「海洋におけるエネルギー・資源開発の諸問題(プロジェクト)」 -
ENERGY & INFRASTRUCTURE BULLETIN 2020年10月 (Vol.22)
「海洋におけるエネルギー・資源開発の諸問題(ファイナンス)」 -
ENERGY & INFRASTRUCTURE BULLETIN 2018年12月 (Vol.15)
「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律の成立」
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- 更新日
- 2023年5月30日
- 執筆者
- 岡谷 茂樹 野間 裕亘
- 業務分野
- インフラ/エネルギー 電力/ガス プロジェクト・ファイナンス
※公開時時点の最新情報となりますので、ご了承ください。