2021年1月15日 公益活動

当事務所は、バイオベンチャー企業による事業価値証券化の手法を活用した資金調達案件でアドバイスしました

佐藤 正謙 弁護士、戸嶋 浩二 弁護士、松田 悠希 弁護士、立石 光宏 弁護士、冨永 喜太郎 弁護士、小林 央忠 弁護士、佐藤 凌太 弁護士、紫垣 遼介 弁護士は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社がアレンジャーとして組成した事業価値証券化の手法によるバイオベンチャー企業に対する資金調達案件で、アレンジャーのリーガル・カウンセルを務めました。

このたび、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社は、バイオベンチャー企業であるSpiber株式会社をオリジネーターとし、同社が開発する構造タンパク質素材「Brewed Protein™️(ブリュード・プロテイン)™」事業を対象とした事業価値証券化(Value Securitization)の手法(「本スキーム」)による資金調達の完了を発表しました。本スキームは、一般的なコーポレート・ローンとは異なり、同社の先進的な研究開発設備、及びタイ国における量産プラント等の有形資産に加え、同社の根源的資産かつ競争力の源泉である知的財産等の無形資産の価値を最大限活かし、大規模調達を実現するために設計された革新的な資金調達手法です。

昨今、SDGs企業への投資ニーズが高まる中、本件は、スタートアップ企業における従来の株式を通じた資金調達手法に限定されない、幅広いクレジット投資家が参加可能な手法を実現したものであり、本邦における卓越した研究開発や事業を推進し、先進的な技術力を持つ企業による大規模な資金調達、及びそうした企業へのクレジット投資を促進する契機となりうる、新規性及び社会的意義の高い案件です。

各産業分野におけるESG及びSDGsへの取組が加速する中、経済・社会の構造変革を促す新技術や代替技術の導入、商業化を支援する金融ソリューションの提供・推進が強く期待されています。当事務所は、日本におけるストラクチャード・ファイナンス取引の黎明期から現在に至るまで、金融取引・市場のフロンティアにおいて主導的な役割を果たしてきました。当事務所の弁護士は、その豊富な知見と経験をもとに、今後も、経済・社会のニーズに即した金融取引の組成と金融市場の更なる発展のために貢献して参る所存です。