2021年1月5日 公益活動

当事務所は、イスラム金融方式のESG金融案件でアドバイスを行いました

石川 直樹 弁護士、松田 悠希 弁護士、森 勇貴 弁護士、安達 知彦 外国法事務弁護士は、MUFGバンク(マレーシア)による、本邦金融機関としては初めてのイスラミック・ESG・ファイナンスの件で、貸付人のリーガル・カウンセルを務めました。

このたび、三菱UFJ銀行のマレーシア現地法人であるMUFGバンク(マレーシア)は、味の素グループのマレーシア現地法人であるマレーシア味の素社に対し、イスラム金融方式のサステナビリティ・リンク・ファシリティを供与する契約を締結した旨発表しました。

本件は味の素グループとして初のESGファイナンス案件であり、同グループが掲げる環境目標(2025年度までに温室効果ガスの排出量を30%、2030年度までに50%削減(いずれも2018年度比))達成に取り組む姿勢が示されています。また、本件の融資金は、マレーシア味の素社がハラル準拠製品を開発・生産する新工場の建設等の資金として用いられるものであり、イスラム金融方式によるファイナンスとして組成されています。MUFGバンク(マレーシア)は、マレーシア味の素社によるESG課題への取り組みとハラルビジネスという二つの要請を受けて本件を組成したものであり、新規性及び社会的意義の高い案件です。

イスラム金融において考慮されるシャリア(イスラム法)準則は、ESG投融資において考慮される非財務指標との親和性が高く、両者を融合させた金融手法はマレーシア中央銀行もValue-based Intermediation Financing and Investment Impact Assessment Frameworkとして促進しています。近時の著しく拡大しているESG/インパクトファイナンスが、従来型の金融手法だけではなく、イスラム金融の分野においても大きく発展していくことが期待されています。

当事務所は、ESGファイナンス及びイスラム金融双方の分野における豊富な経験を活用し、国際的なガイドラインや原則を個別案件の実情に即して適用するための検討を積み重ね、今後も、国内外でのESG/インパクトファイナンスの更なる拡大のために貢献して参る所存です。